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  • 全国初!公立の小中高一貫校開設へ

    2022年度を目途に全国初である公立の小中高一貫校が立川に開設されることが東京都教育委員会の発表で分かった。
    対象となっている立川の学校は既に中高一貫教育をしている都立立川国際中等教育学校で、同校の敷地に新たに小学校を併設する予定である。

    猪瀬直樹前知事が提唱していた「四・四・四」制の学校ではなく、「六・六・三」制とし、小学校の適正判断期間を長期間設ける方針だ。

    小中高一貫教育は、初等教育と中等教育の課程を調整する事で一貫性を持たせた教育を行うという方式であり、現在私立の学校しか存在していない。初めて小中高一貫校が設立されたのが2005年と新しく、これから増加される事が見込まれる教育方式の一つである。

    既にある中高一貫校と比較してみよう。
    下記データは少し古いが、公立での中高一貫校のグラフである。中等教育学校・併設型・連携型等を足すと平成15年時点で118校だったのが、平成25年時に460校と増加している。わずか10年間で約4倍の数になっていることを考えると2022以降の小中高一貫校も増加の一途を辿りそうだ。

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    都は小中高一貫教育校について、【国際社会で活躍できるグローバル人材の育成】を主な目的としている。そのため、小学校の早期から外国人指導者による英語教育の推進はもちろん、外国人児童・生徒や帰国子女の児童・生徒と共に勉強する機会を設けることや海外留学も取り入れるという。

    さらに英語以外の教科についても学習内容を先取りして学習するとし、「教わらずに自ら学ぶ」参加体験型学習も取り入れていく方針である。そのため、基本的には学級担任制をとるものの、専門的な知識を持つ教員に授業を当たらせるべく、段階的にではあるが教科担任制を導入していく。

    従来の小中高と比較して学ぶことが多くなるため、土曜日の活用や授業時間の増加などで対応する予定である。

    小学校への入学については、公立ではあるものの選抜による入学試験を課する予定である。応募資格としては通学時間が1時間圏内の都内小学校就学予定者としており、抽選による振るい落としは行わず、児童本人の資質や能力を多様な観点から評価するとあるが、具体的な内容は今後開示されていくものと思われる。
    また、小学校と中学校の進学のタイミングで、他小学校から小中高一貫教育校への入学も検討されており、こちらも今後の動向が注目される。

    一貫教育には12年間の教育期間で切れ目のない体系立てた指導が可能となるため、学力の定着・向上が期待できる。さらに先取り学習や連続性のある学校生活によって児童・生徒の向き不向きを学校側がとらえやすく、長所をしっかりと伸ばし苦手な部分は細やかな対応が可能となる。特に近年になって注目され始めた「中1ギャップ」に対して、早期に中学校の生活を体験させることがギャップ解消につながると期待されている。中1ギャップ解消による不登校やいじめの減少が見込まれるなど、今まで各都市が積み重ねてきた一貫校の経験も踏まえている。
    しかし、一貫校に対する批判や課題として人間関係の固定化による社交力の低下や、試験無く進学していくことから出る「中だるみ」も懸念されている。これに対して都は、人間関係の固定化は異なる学年同士の交流や、他校との交流などの対応が必要であると見解を示している。中だるみの問題についても、学習課題や定期試験など学習意欲の向上を図る工夫が必要であるとしている。
    既に多くの地域で開校している小中一貫校で出てきたこれらの課題に対して、同じ轍は踏まぬよう、しっかりと課題解決を図り子どもたちの健やかな成長につなげていくことが望まれる。

    公立の小中一貫校は2006年に東京都品川区が全国に先駆けて開校し、それから2016年現在に至るまで全国で続々と開校が続いている。
    同学の成果次第で将来、小中高一貫教育校が増えていくことが予想される。

    <キーワード>

    ・中等教育学校・・・前期中等教育(中学教育)と後期中等教育(高校教育)を一貫して施すシステムをとる学校
    ・併設型・・・同じ設置者が中学校と高校を設置して接続するタイプで、中学校から高校へは無選抜で進学可能。
    ・連携型・・・設置者が異なる中学校と高校が連携して教育を行うタイプ。中学校からは高校へは簡単な試験で選抜される。