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  • 大学新テストの英語で民間テスト利用の動き

    2020年に現在の大学入試センター試験に代わる新制度が導入される。その新しい入学試験制度について、文部科学省は民間の試験の結果を取り扱うことを決定した。まずは国が主導するセンター試験と、TOEFLやTOEICなどのといった民間が行っている英語の試験を併用して評価する。将来的には民間のテストの利用に一本化する方針だ。

    現在でも英検など一般的に受験できる英語の試験結果を入試に活用している大学は多く存在している。これらのテストは英語の「読む」「書く」「聞く」「話す」の技能を総合的に図るが、現行のマークシート型のセンター試験では「読む」「聞く」のみに重点が置かれており、他2技能については測定ができていない。

    グローバル社会が進む現代において、国際的に活躍できる人材を育成するために英語教育が推進されている。小学校でも英語の教科化が進み、早い時期での英語教育がなされる。そして大学進学に至る段階で、従来の試験内容だけでは測ることができなかった「書く」「話す」といったスキルを民間試験の結果から得るというのは至極効率的な選択である。

    大企業の多くでは英語ができる人材を登用しやすい流れができている。もちろん中小企業の中にも外国人観光客向けのスタッフとして外国語ができるスタッフを用意する向きもある。昨今の外国人観光客数の増加傾向を見ると、外国人向けのサービス・商品発売が重要なことは明白である。こういった社会情勢からも英語の能力を正確に測定する必要があり、従来のセンター試験では不足していた部分を補う形で民間テストの結果を重視する事になるのだろう。

    民間テストについては、高校の学習指導要領との整合性や全国すべての受験生が不公平なく受験可能であるか等の条件を勘案し、基準をクリアした民間試験を認定して活用する方針だ。

    英語能力はコミュニケーションを図るためのツールであり、コミュニケーションをとるためには「読む」「聞く」だけでなく「書く」「話す」のスキルも見るのが当然である。しかしながら、民間試験の結果で全て決定すると危うい点がある。入試センターが検討している基準をどうクリアしていくのか、また受験生の金銭的負担をどれだけ勘案するかである。

    現状の制度のままであれば全国一律の受験が可能である(交通費の負担に地域格差は存在する)。しかし、民間テストを受けることが絶対条件となると、従来の受験費用とは別に、民間テストの受験料・検定料が発生することとなる。まだ民間テストの選定中だが、英検のように上位の級を受検するために高い費用を払わなければならない可能性もある。英検3級なら3,200円だが、1級ともなると8,400円と倍以上の金額になる。上位校を受験するためには上位の級を持っていた方が評価は高いだろうから、より高い金額を使う必要に迫られるだろう。

    さらに試験会場が全国均一的にあれば良いが、そうもいかない場合が多いだろう。そうなると特に地方では遠方までテストを受けにいかなければならず、金銭的負担が増す可能性が高い。中には学校で受検できるテストも存在するが、自校の生徒のために時間を長く設けたり、違反行為が出てきたりする可能性も否定できない。そのため自校でのテスト受検はできなくなる可能性が高いだろう。これも遠方までテストを受けに行かざるを得ない状況を作る壁になる可能性がある。

    貧困層の子どもが特に影響を受けやすいのではないかと危惧するところである。生徒の実力を正確に図るためには必要な制度であると思うが、貧困の連鎖を固定化させる可能性もあるため、貧困層に対しては検定料や交通費の補助など検討してもらいたいところである。

    一般家庭でも4年後以降に大学受験を控える子どもがいる家庭では今から検定試験を受検するなどの対策を講じた方が良いだろう。