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  • 小中一貫教育の「義務教育学校」はじまる

    今年の4月からから小中学校の9年間を一貫して同じ学校で学ぶ制度がスタートした。小学校から中学校に進学する段階で発生する「中1ギャップ」を防ぐのが主な狙いだ。

    中1ギャップとは、「先輩後輩」といった新しい人間関係や、異なる小学校の子ども同士が集まり新しい人間関係の構築が必要になったり、勉強の負荷が小学校と比べて格段に増えたりと、小学校には無かった新しい人間関係・勉強への取り組みに対して適応できなくなるようなことを言う。
    中1ギャップを引き起こすと、不登校や引きこもりに陥ってしまうことがあり、教育機関でも問題視されていた。

    この中1ギャップ解消の手立てとして、中高一貫教育が有効であると考え、数年前から品川区など一部自治体で小中一貫教育が行われていた。

    しかし、今までの小中一貫教育は、あくまで小学校と中学校が別々に存在するというもとに成り立っていた。そのため、教員の壁が存在したケースもあり、なかには小中一貫教育を行っている学校でも、小学校と中学校の職員室がバラバラであったところも存在していた。

    今年から始まった小中一貫教育については、国が正式に制度化し、小学校でも中学校でもなく「義務教育学校」という形態になったものである。公立22校でスタートをきったこの制度を、文部科学省は周知に力を入れ、成果が出れば増やしたいという意向のようだ。

    実際に小中一貫教育の研究では、中1ギャップに一定の成果が出ており、6年生から7年生(旧来の中学1年生)に進級する段階が非常にスムーズになったと評価されている。さらに1~9学年ある中で縦の繋がりを作る事の有効性も少しずつではあるが示されている。上級生が下級生に学習を教えるといった取り組みもなされており、そちらも効果を示している例があるようだ。

    小中の教員間では子どもに対する学習への取り組ませ方に大きな差が出ることがあり、それがスムーズに解消されるのかは未知ではあるものの、教員間でしっかりと連携を取ることで中1ギャップのような問題が減り、中学校教員は子どもたちの情報をしっかりと共有してスタートを切れる有用性もある。

    教員の多忙化が問題になっている昨今、教員数が多くなることで役割分担もできる可能性がある。都内の小学校では1学年1学級という形態も珍しくない。学級数が減っても年間の行事が減るわけではないので、結果として教員数は減り教員一人当たりの仕事量が増えるという悪循環が生まれていた。小中一貫教育により教員数が増えることで教員ひとりひとりの仕事量が少しでも軽減されれば、優秀な教員が疲弊し離職することも減るだろう。

    新しい取り組みはとかく批判を受けやすいものであるが、最終的には子どもにとってより良い環境が生まれるのではないかという期待感が持てる取り組みである。

    新しくスタートを切った義務教育学校のこれからの動向に注目したい。