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  • 小中学生の意識調査 第六回 ~様々な活動の参加意向について~

    内閣府が子どもの育成支援の充実のために、平成26年に小中学生を対象とした意識調査を行っている。今回は子どもたちの様々な活動への参加傾向に関する調査結果を紹介する。

    今回のアンケートでは、様々な活動の事例を挙げ、どういった活動を行ってみたいかというアンケートを取っている。平成18年にも同じ内容でアンケートを取っているが、ほとんどの活動で「やってみたい」という回答が増えており、子どもたちの様々な活動への参加意欲が高まっていることがうかがえる結果となっていた。

    最もやってみたいという回答が多かったのは「自然や環境を守る活動をすること」であった。子どもたちの54.9%が「やってみたい」と回答しており、さらに前回調査から2.3%増加しており、環境に対する意識の高まりがうかがえる。

    次に多かったのは「地域の人たちとスポーツなどで親しく交流すること」であり、全体の51.8%であった。前回よりも3.8%増えており、増加率で言えば、前回アンケートと比較して最も増加傾向が見られた。
    「やってみたい」という回答は、女子よりも男子の方が1.4倍ほど多く、小学生よりも中学生の方が多いという傾向がみられた。学年が進むにつれて地域の人たちとの交流をしたいと思うのか、それともスポーツに対して積極的になるのか興味深いところである。

    続いて、「日本にいる(住む)外国の人と親しく交流すること」が全体の41.8%であった。これは前回調査とほとんど変化が見られなかった。
    「やってみたい」という回答は、小学生では男子の方が多く、中学生になると女子の方が多くなる傾向にあった。パーセンテージでもほぼ逆転しており、外国人に対する意識の変化が生まれるのかもしれない。

    「お年寄りの手助けや介護をすること」は全体の34.5%の子どもが「やりたい」と回答しており、前回調査から1.4%増加していた。核家族化が進んでいるため祖父母と同居する家族の割合が減少しているものの、前回よりも向上しているのは興味深い結果である。
    小中学生共に26%程度の男子が「やりたい」と回答していたが、小学生女子は40%ほど、中学生女子に至っては45%ほどが「やりたい」と回答しており、男女間で意識に大きな違いがあることが分かる。
    介護士の男女比に置いても女性の方が男性よりも圧倒的に多いという統計が出ており、男女の意識の違いが将来の職業選択にも表れていることが示唆される。

    「障がいのある人の手助けをすること」は全体の31.1%が「やりたい」と回答しており、前回調査から3.1%減少していた。今回のアンケートの中にある活動の中で唯一前回から減少していた。
    お年寄りの手助けなどの活動と同じく、女子の方が「やりたい」と答える比率が高かった。しかし、お年寄りの手助けなどの活動では中学生女子になると小学生女子よりも「やりたい」という回答が増えていたのに対し、障がいのある人への手助けについては、中学生になると小学生よりも減るという結果であった。
    日本の障がい者への意識は諸外国と比べて大きく異なっている。ドイツやアメリカなどでは障がい者に対して「この人は障がいがある人だ」と意識して接する割合が2割弱と低く、健常者と分け隔てなく接するという回答が多かった。反対に日本では、障がい者と健常者を意識的に区別して接するという回答が6割ほどおり、外国との意識の差が明確に表れていた。
    もちろん意識して困っていたら思いやりの気持ちをもって接することができればよいのだが、今回の調査結果では手助けしたいと考えている割合があまり多くは無いことがうかがえる。
    今回の結果が、諸外国のように「分け隔てなく接する」ことへの表れなのかは細かい調査が必要となるが、パラリンピックなどへの意識の低さが諸外国に指摘されている日本では、障がい者への意識について今後の課題なのである可能性がある。

    「病気の人の手助けや献血をすること」については全体の21.5%が「やりたい」と回答しており、前回調査から2.6%増加していた。
    小学生から中学生に上がると「やりたい」という回答は増え、女子に関しては7割ほども増加しており、男女間の差は如実に表れていた。
    看護師の男女比については女性が圧倒的に多く、ここでも男女間の意識の差で将来の職業選択に影響を与えている可能性が示唆されている。しかしながら近年では男性看護師も増加傾向にあり、前回調査の結果から、誰かの世話をするという意識については男女の差が徐々に埋まっているのかもしれない。

    「困っている外国に行って援助活動をすること」については全体の21.1%が「やりたい」と回答しており、前回調査から1.8%増加していた。
    この質問に対しても女子の方が「やりたい」という回答が多くみられ、中学生になるとその比率はさらに上昇していた。

    今回のアンケート結果から推測すると、男子は自然保護活動やスポーツによる地域交流、外国の人との交流にはやや積極的であるが、困っている人を助ける活動については女子よりも消極的になる傾向にあることが分かった。

    小中学生の頃からこういった意識の差があり、それが将来的な職業選択に影響を与える可能性があることは非常に興味深い。

    おそらく性差による先天的な心理的衝動である可能性が高いが、前回調査から「やりたい」という回答が増えている回答も多く、教育や与えられている情報によって意識は少しずつ変わるのではないかと考えられる。

    様々な情報に触れさせ、いろいろな考えを知らせ、将来の職業選択に良い影響を与えるのが、親としてできることなのではないだろうか。