• 基礎知識

    東京の家庭教師一覧

  • 日本はICT活用の推進を

    OECDが発表している「図表でみる教育 2015年版」より、日本は他国よりも情報通信技術(ICT)を活用した問題解決能力が若干劣ることが示された。

    高卒レベルにおけるICTを活用した問題解決能力が高いとされる人の割合について、OECDに加盟する全34か国の平均値は25%に対し、日本では24%と若干劣る結果であった。このレベルであれば大きな差ではないため誤差の範囲と捉えることもできるが、大卒レベルではこの差が広がっており、懸念が示される。大卒レベルのICT活用能力が高い人材の割合は、OECD平均で52%だが、日本では49%と半数を下回ってしまうのだ。

    非常に大きな差とは言えないが、せめて平均値は超えてほしいと考えてしまう。特にこれからの未来は多くの職業がロボットやコンピューターに取って代われてしまうと言われている。モノづくりの現場である工場では、すでに多くの作業ロボットが従事しており、製品の組み立てや検品を行っている。ロボット進出の場所は単純作業だけにとどまらず最新の医療現場では医療ロボットが医師に代わり診断し、まだ明確に発病していなかった疾病を発見している。

    ロボットやコンピューターの利点は「疲れない」という点と「膨大な知識を一瞬で検索できる」という点がある。前述の利点は多くの工場などの単純作業を長く続ける現場で役に立つ。人間では耐えられない長時間の労働も問題なくこなせるし、長時間労働によるミスも少ない。後述の利点は、細かな判断を下す際に役立つ。医療の現場では過去に集められた多くの診断結果から情報を検索し、適切な診断を下すことができる。他にも裁判では過去の判例を一瞬で検索し出力できることから、近い将来は裁判の現場でも役立つ可能性が高い。

    多くの社会学者が提唱しているように、近い将来、多くの仕事がロボットやコンピューターに取って代わられることはほぼ間違いないだろう。たしかにロボットは情報収集能力や検索能力、そこから導き出される答えの判断力は非常に高い。しかし、機会が苦手とする分野がある。それは未知の分野への挑戦である。コンピューターは経験したことが無いものは調べることができず、発展させることもできないのである。そして未知のできごとを解決するためには人間の想像力や問題解決能力が必須となるのである。

    OECDでテストされたのはICTを活用した問題解決能力である。現在の日本の中高生はほとんどがスマートフォンという小型の情報端末を持っている。スマホはインターネットに容易にアクセスでき、すぐに多くの情報を収集することができるだけでなく、発信する力も持っている。情報化社会の必須ツールと言っても良いだろう。多くの人々が常に情報端末に触れ、様々な情報を取得できる状態にあるものの、肝心のそれを問題解決に活用できていないと言われているようなものである。これは非常に由々しい問題である。

    近い将来、情報ツールを使いこなせない人種はビジネスの現場では淘汰されてしまうかもしれない。学校でもパソコンの使い方やネットリテラシーの充実は図っているが、どれだけICTを活用した問題解決能力を養えているかは疑問である。それを実際に示したのが今回公表された結果ではないだろうか。

    保護者は子どもにスマホを与える場面に出くわすだろう。今はネットで被害に遭わないためのリテラシー向上や適切に使えるためのルール作りに終始してしまってはいないだろうか。ぜひ、家族で、学校でスマホを使った問題解決能力を高める取り組みをしてもらいたい。それは一定の情報を集めることや、集めた情報を編集する事でも養えるだろう。必要な情報と不必要な情報の取捨選択も良いだろう。困ったときに情報を集め利用できる人材を育成するつもりで、家庭でのスマホ利用について「問題解決」という観点から子どもに教えてはどうだろうか。そういった家庭教育が進めば、来年以降のOECDによる調査結果は変わってくるかもしれない。