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  • 特別な場合に小学校卒業していなくても中学校入学可能へ

    文部科学省が2016年6月17日付けで、各都道府県の教育委員会に対し、保護者による虐待や病弱などの特別な事情があった場合に、小学校を卒業していなくても中学校への入学を認めることが適当であるという通知を出した。今まではどんな場合でも小学校を卒業していないと中学校への入学が認められておらず、教育を受けられないが故に貧困に陥ってしまうケースの救済の一助になるのではと期待される。

    今回「特別な事情を持つケース」と認められたのは以下のケースである。
    1.保護者による虐待や無戸籍と言った複雑な家庭の事情を抱えているケース
    2.不登校などにより長期間学校を欠席しており小学校の課程を未修了のまま卒業する年齢に達してしまったケース
    3.病弱や発育不全などの理由により登校ができないまま小学校の課程を未修了のまま卒業する年齢に達してしまったケース
    4.帰国子女の子どもが重国籍や日本語能力の欠如などの理由により就学義務の猶予や免除を受けており、なおかつ外国人学校の小学部に通っており中学校段階から一般の中学校への進学を希望するケース
    5.日本国籍を持たない子どもがいったんは外国人学校の小学部に通った後に、経済的な事情や居住の変更等のやむを得ない事情により中学校段階から一般の中学校への進学を希望するケース
    6.複雑な家庭の事情などから義務教育未修了のまま学齢を超過した小学校未修了者が、中学校夜間学級などに入学を希望するケース

    上記のようなケースが、今まで認められていなかった小学校を未卒業でも中学校への入学が可能となったのは非常に意味合いが大きく、子どもの健全な育成に繋がることや、貧困の連鎖を断ち切ることに力を発揮することが期待される。

    子どもの健全な育成という観点では、特に不登校経験者や病弱、発育不全で小学校を未修了でも中学校に入学できるようになったことで、子どもと保護者の心理的負担が大きく軽減されることが期待される。どちらの場合でも子どもが就学できる体調になりさえすれば中学校に復帰ができるようになるのである。今までのように小学校課程を修了できなかったことから中学校への入学が許されなかった場合においては、復帰を願ってもそれが叶わず、学力も人間関係も普通に通学している子どもよりも不利になるケースが多くあった(家庭教師や塾、フリースクールと受け皿があったが、経済的、立地的な理由から万人が活用できるものでは無い)。これは子どもや保護者という「家庭」だけの問題では無く、社会的な損失でもあった。意欲があれば復帰できるという形さえ整えてあげれば、将来的に有用な人材として育つ可能性は非常に高く、家庭だけでなく社会的にも有意義であると言える。

    無国籍・重国籍などの子どもがしっかりと教育を受けられるようになることも非常に大きな意味がある。中学校への入学を許さない旧来のシステムは、そういった複雑な家庭環境の子どもはしっかりと学ぶことが許されず、結果として教育の不足による低賃金労働層となり、貧困の連鎖を生み出すシステムとなっていた。しかし中学校から教育のやり直しを受けることが可能となるため、貧困の連鎖を断つことが期待される。貧困の連鎖を断つことができれば、生活保護受給者を納税者に変えることができる。年々膨らんでいく社会保障費のことを考えると、長い目で見ると非常に有意義な決定であることが分かるだろう。

    長く学校生活になじんでいない子どもたちが急に学校生活に溶け込むことは非常に難しい。それを見越して、文部科学省は学校支援組織やNPO等の民間団体との連携も進めている。放課後や長期休暇中に学習支援や進路指導を行うことで、スムーズに学校生活に慣れてもらい、将来の道筋も一緒に考えて進んでいこうという考えだ。また、貧困や虐待、ネグレクトといった生活上の問題を抱えている子どもに対するケアもしっかりと考えている。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門職員や児童相談所等の関係機関との連携も進め、子どもの立場に立ち、子どもが将来最も良い形となるよう支援の充実を推し進めている。

    教育は貧困や諸問題を解決する最強の武器である。無利子の奨学金の充実や各自治体における子ども支援など、徐々にではあるが教育の充実も図られている。高齢者政策が重要ではないとは言わないが、国はもっと高齢者だけでなく若年層の教育に費用を充てて欲しい。東京の一部自治体では家庭教師や塾に対する助成金を出しているところも出ており、教育に関する意識が高いエリアがある。現在住んでいる自治体がそういった支援を行っていないか調べてみて、活用できるものは活用するのが良いだろう。今回のように全ての子どもがしっかりと教育を受けられるような仕組みづくりが整うのを切に望む。