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  • 通信制高校にまつわる問題点と間違わない選択を

    文部科学省は、「広域通信制高校の質の確保・向上に関する調査研究協力者会議」の初会合を7月12日に開催した。まずは8月中旬までに広域通信制高校に関する実態調査を実施する。この調査結果を踏まえて「広域通信制高校の質の確保・向上」に対する指針となるガイドラインの策定も実行される見通しだ。ガイドラインには「学校の管理運営に関する事項」・「教育指導に関する事項」・「施設・設備に関する事項」・「所轄庁における指導監督」の4つの柱が示されており、これらの内容に沿ってガイドラインが作成される予定となっている。

    広域通信制高校については昨年末より問題となる事例が報告されている。昨年12月、三重県にあるウィッツ青山学園高校が生徒に対して適切に授業を行っていなかったことや、就学支援金の不正受給を行っていたことが発覚した。この問題の詳細として、学校行事でユニバーサルスタジオジャパンへ行った際に、お土産の買い物での釣銭計算を「数学の授業」とみなしていた。さらにバス移動中に洋画を鑑賞して「英語の授業」、ドライブインでの食事を「家庭科の授業」、USJ内の散策を「美術・総合学習の授業」として、必要とされる授業時間に充当していた。修学支援金問題では、高齢者などを勧誘して課題の提出や学習指導など、学校としての責務を果たしていないにもかかわらず、修学支援金を申請し不正受給を行っていたものである。

    さらに今月、北海道にある「クラーク記念国際高校」が、学校としての認可を受けていない「四谷インターナショナルスクール」から不正に生徒を編入させていたとして事件になった。本来学校として認可されているクラーク記念国際高校に編入を許されるのは、同じく認可を受けている学校からのみとなる。しかし、学校として認可を受けていない四谷インターナショナルスクールから生徒を不正編入し生徒数を増やしていたのである。例えるならば、高校に通っていない人が塾から高校に編入するようなものである。

    通信制高校には不登校など何らかの事情を持つ子どもの進学先としての選択肢という価値がある。さらにここ数年で学校数は増加しており、通学することで高卒資格を取得しながら美容師や調理師、トリマーの資格、さらにはエンターテインメントの技術など全日制の高校では履修できないような学習内容を盛り込む等、特色を持つ学校が増えている。通信制高校の数は今も増え続けているが、昨年から続くこのような不正を働く学校が一部であることから、生徒が社会に出た際などに偏見の目で見られることが少なくないのではないかと危惧される。

    しっかりと指導を行っている通信制高校には、大学進学することはもちろん、東大や京大といった「難関校」への進学実績を持つ学校も存在している。何らかの事情で全日制高校への進学を諦めている生徒がいるなかで、そういった生徒をしっかり受け止め、将来への道筋を辿らせることができる通信制高校の役割は非常に大きい。今度、さらに多くの広域通信制高校が出てくることが予想される。もしも高校進学の選択肢として通信制高校を検討されるのであれば、全日制高校と同じく、早いタイミングで学校見学を行い、進学実績や就職実績といった数字だけでなく、学校全体や通っている生徒、働いている教員の雰囲気を保護者と生徒の目で見て確かめることが望ましい。通信制高校でも学業についていけず退学する生徒も存在するので、勉強はしっかりと継続することが重要である。