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  • 通級指導を受ける小中学生が9万人を突破 ~軽度障がいに対するケア~

    文部科学省が4月28日に発表した平成27年度の特別支援学級に関する調査結果を発表した。発達障害などにより通常の学級で学びつつ一部の授業を別の教室で受講している、通級指導を受けている小中学生は全国で90,270名いることが発表された。昨年度の83,750名から6,000名以上も増加しており、通級学級の制度が始まった平成5年度から7倍以上に増加している。平成27年度の小中学生の総数は10,008,319名であり、全体の約0.9%の児童生徒が通級指導を受けていることになる。1%に満たない数字ではあるが、1クラス40名として1学年に3クラスある場合には学年1つあたりに1名通級指導を受けている子どもがいる計算となる。障がい別にみると、言語障害が最も多い35,337名であり、次に多いのが注意欠陥多動性障がいの14,609名となっている。これに自閉症の14,189名と学習障害の13,188名が続いている。言語障害は平成17年度ごろから年間30,000名前後で推移しており大きな増加は見られないが、情緒障がい・自閉症・学習障害・注意欠陥多動性障がいの子どもの比率は年々増加傾向にある。

    通級学級とは、小中学校において通常の学級に籍おいている比較的軽度な障がいを持つ児童・生徒に対し、その障がいにあった特別な指導を行うことができる制度のことである。軽度の障がいには「弱視」や「難聴」、「学習障害(LD)」、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」などが含まれている。過去の数値と比較すると増加を続けており、子どもに異変が生じているかのような印象を受ける人もいるかもしれないが、実際は年を経るごとにLDやADHDが通級指導を受けられると認定されるようになり、それが通級指導を受ける児童生徒の増加の要因になっていることも考えられる。通級指導を受ける子どもたちは全て同じ症状ではないため多様なケアが必要とされている。これに対して文部科学省は、障がいのある子どもに対して丁寧な少人数制指導が必要であるという認識のもと、担当教員数を充実させたいとの考えを持っている。しかし財務省は「子どもの減少に伴う教員数の削減」という方針を持っており、今後の通級指導に対する懸念は深まっている。数年前からLDやADHDの大学生が増加しているということが話題になっていた。LDやADHD、そして自閉症などについては周囲の支えが非常に重要であり、今後教員数の削減が現実のものとなると、せっかく整備されつつあった通級指導の道が閉ざされることになりかねず、政府の教員数に対する考えが重要となっている。

    9万人以上の小中学生が通級指導を受けているなかで、自分の子どもがLDやADHDであった、もしくはその疑いがあるという保護者の方もいることだろう。その宣告にショックを受ける保護者の方もいるだろうが、実はそこまで悲観することは無い。LDやADHDは治らないという意見があるが、周囲のサポートで大成する場合もあるのだ。例えばハリウッド俳優のトム・クルーズ氏は学習障がいを告白したことで知られている。失読症という、書いてある文字の判読が難しいという症状を伴うもので、俳優という職業上、セリフを覚えるのに苦労したらしい。さらに、ジム・キャリー氏やウィル・スミス氏といった俳優はADHDであったそうだ。日本でも、現在人気のバンド「SEKAI NO OWARI」のボーカルである深瀬氏もまた、ADHDであることを雑誌で告白していた。このように、LDやADHDであっても大成する人はいるのである。必要なのは周りが支えることと、自分自身がやりたいことをできる環境を作ってあげることかもしれない。

    報道だけをみると通級指導を受けている子どもの割合が増えているだけの印象がぬぐえないだろうが、日本の教育が軽度障がいに対して手厚くなっている証明であるとは考えられないだろうか。学校教育以外でも、自閉症や、軽度障がいを持っている子どもに対する家庭教師サービスも増えている。特に塾と異なり教師を変えることが容易であることから、軽度障がいの子どもに対して有効である。障がいを持った子どもであっても、学校の支援や民間サービス、そして何より親や兄弟、友人たちの支えで子どもの未来は輝かしいものになり得る。