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  • 2020年より小学校で英語の教科化が決定

    小中高校の学習指導要領における改定案が8月1日にほぼ固まった。特筆すべき点として、英語教育への注力が挙げられる。

    現在の学習指導要領において、小学校の英語活動は各学校の判断に委ねられている。「総合的な学習の時間」を活用して英語圏の文化に触れるなど英語に親しむ形で進められている。公立小学校を対象とした調査では、現在8割ほどの学校が英語活動に取り組んでいる。活動内容の多くは「歌やゲームなど英語に親しむ活動」や「挨拶や自己紹介などを通して、簡単な英会話の練習」に充てられている。学校内に英語に堪能な教員が在籍している場合には「英語の発音練習」を実施している。これらの英語に関する授業について、現行では第6学年時に年間で平均10時間ほどとなっている。

    小学校の英語教育についてはネット上でも多くの意見が飛び交っている。反対派の多くの意見としては、「英語よりもまず日本語教育を充実させるべきだ」という意見が大勢を占めているように思える。確かにこの意見については私も賛同する。しかしながら、英語教育はこれからますます重要さを増していくことから、早期の教育が必要になってくるだろう。
    交通網の整備による諸外国への渡航のしやすさやインターネットの普及により24時間どこにいても誰とも繋がれるようになり、世界的なグローバル化はますます進んでいる。そんな国際社会の中において、英語の力を測る試験である「TOEFL」において、日本の平均点数はアジア諸外国の中で下から2番目と非常に低い点数をマークしてしまっているのである。受験者数等の違いもあり単純に諸外国と比較すべきではないという意見もあるが、日本人の英語力はアジアの中で見ても非常に低いと言わざるを得ない。先に述べた通り、世界的な交通・情報・科学技術の発展により、グローバル化が急速に進んでいる。異なる文化の人との共存や相互理解そして国際競争を勝ち抜くためにも、世界的に使用されている英語教育を早期に進める流れは止まらないだろう。

    諸外国の英語教育に関する取り組みについて、国際的に見ても国際競争力の向上のために、国を挙げて小学校段階からの英語教育の実施が増えている。アジア圏においては、タイが1996年より英語を必修化し、韓国が1997年に、中国が2001年に段階的に必修化を始めている。EUにおいては、母国語以外にも2つの言語を学ぶべきとし、早い時期からの外国語教育の推進を行っている。

    英語教育に関する課題も多くある。現状では多くの小学校において「総合的な学習の時間」などを活用して英語活動を行っている学校が多くあるが、まだ英語活動に取り組んでいない学校も存在する。英語が堪能な教員がいれば発音練習などもできるが、そういった教員ばかりではないのが実情である。また、現在の教員採用試験では英語に対して注力されていないため、英語に精通していない教員がいることも否めない。これらの問題を解消するためにも、全ての学校で英語をしっかりと学べるように英語に特化した教員の配置を検討することや、教員採用試験の見直し、それに際して英語教員をしっかりと採用できるような審査担当の整備なども必要となるだろう。


    今後の英語教育については、2020年度より実施される新学習指導要領によると、小学校5・6学年において英語を正式な教科にする方針が固まった。現在高学年で行われている歌やゲームなどを通じて英語に親しむ「外国語活動」については3学年時より開始することとした。これらの取り組みがなされることにより、小学校6年間における英語の総授業時間は140時間に増加することとなる。これは原稿の平均10時間程度から14倍に大幅増となる。ここで気になる点として挙げられるのが授業時間の割り振りである。
    現在でも授業時間の余裕が無いことが指摘されているが、英語授業が現在よりも約130時間も増加することにより授業編成がさらにひっ迫することが考えられる。この130時間分はどのように割り当てるのだろうか。現在の小学6年生の年間授業時間は980時間となっている。そこに130時間を追加するわけにはいかないので、他教科の時間を削ることになることが予想される。授業時間の割り当てに対して文部科学省は、時間割を柔軟に組み立てる「カリキュラム・マネジメント」を各学校に求めるようだ。教員の多忙化が叫ばれている中で、カリキュラム・マネジメントについて取り組み、英語に対するケアもしなければならないなど、さらに教員への重圧は高まりそうだ。しかしながら、財務省は少子化を理由に教員の削減を推進しようとしている。現在の状況においても教員は多忙であり子どもの教育のためにある「教材研究」へ時間を費やすことができない現状もあるようだ。これがさらに加速する懸念もある。

    公立学校の教員が最低限の授業しかできない例は残念ながら存在する。それは教員個人のスキルの問題もあるが、学校内の事務仕事が多く教材研究など子どものための時間が残されていないことから発生してしまうケースも散見される。

    子どもの学習状況を学校任せにせず、しっかりと家庭でも管理することが望ましい。子どもの教育は未来への投資である。ますます加速するであろう英語教育に関しても、保護者はしっかりと子どもに英語教育を施してあげて欲しい。