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  • 小中学生の意識調査 第8回 ~自分の価値観2~

    内閣府が子どもの育成支援の充実のために、平成26年に小中学生を対象とした意識調査を行っている。今回は、前回に引き続き子どもたちが自分自身に持っている「価値観」に関する調査結果を紹介する

    今回のアンケートでは様々な価値観を挙げ、その価値観に対して「そう思う」か「そう思わないか」といった回答を求めている。

    1.将来のためにも、今、頑張りたいと思う
    「そう思う」と回答したのは全体の94.7%であり、前回(平成18年)調査よりも6.9%上昇していた。性別・小中学校別においては大きな変化が見られなかったが、中学生男子になると「どちらかというとそう思う」という回答が小学生男子よりも約14%、中学生女子よりも約6%上昇しており、「そう思う」という回答を押し下げていた。
    男子が中学生になることで精神的にどういった作用でこのような差異が生まれるのか気になるところである。仮説としては、「頑張ることがかっこ悪い」という考えが作用しているからか、もしくは部活などに注力することで将来への考えが希薄になるのかもしれない。

    2.今が楽しければよいと思う
    「そう思う」と回答したのは全体の59.3%であり、前回調査よりも11.7%も上昇していた。
    小中学校別にみると、小学校から中学校に上がることで「そう思う」という割合が4.4%減少していた。中学校に進学することで、将来に対する展望を持つようになるからだと考えられる。
    男女別にみると、中学生男子の方が中学生女子と比べて、「そう思う」という割合が9.6%ほど高かった。俗説では女子の方が精神的に大人と言われることがあるが、数値だけを見ると女子の方が刹那的な考えを持っていることが示唆されていたのは興味深い。

    3.友達から人気のある子になりたい
    「そう思う」と回答したのは全体の68.9%であり、前回調査よりも2.6%上昇していた。小中学生別でみると中学生になると2.5%ほど減少していた。男女別では特に大きな差異は無く、小学生の男子でのみ「そう思う」という回答が多かった。
    女子に関しては小学生・中学生ともに同級生間でのトラブルが男子よりも多くなるケースがあるため、人気者になりたいと思う傾向は男子よりも低いのは興味深い結果であった。もしかしたら人気者のように目立つと、グループ内で何かあった際に反動による反発が大きくなるため、それを嫌った可能性が考えられる。
    男女・小中学生の分け隔てなく、人気者になりたいと思わない子どもも相当数いるため、自分の子どもや、自分が受け持っている子どもを無理に目立たせようなど考えずに、褒めるべきタイミングで皆に盛大に発表するか否かは子どもの特性をしっかりと考えて行うだということがデータより推測される。

    4.勉強のできる子になりたい
    「そう思う」という回答は全体の92.1%と多く、前回調査よりも7.6%ほど向上していた。学歴社会と言われる中で、より将来の進路を考えた際に勉強ができるようになりたいと考える子どもが増えているのは喜ばしいことであると考える。
    小中学生別でみると、中学生に上がると「そう思う」という比率が3.4%減少していた。男女比で見ると特に男子中学生で「そう思う」という回答が4.5%も減少していた。対して女子では2.1%の減少となっており、男女間での相違もみられた。
    中学生になると勉強科目が増えるだけでなく難易度も格段に上がり、定期テストによって自身の能力を測られる環境にさらされることになる。科目によっては一度つまずくと以降の単元も分からなくなり、やがて強化全体に苦手意識を持ち、勉強放棄につながることがある。
    中学生で勉強をできるようにならなくても良いという回答が増えているのは、既に苦手な教科が固まってしまい、勉強に対する意欲が減衰しているからかもしれない。
    科目全体が嫌いになる前に、学校や塾、家庭教師などを活用し、つまずきを一つずつ解消してあげることが重要である。丁寧な指導と本人にやる気さえあれば、一度つまずいても必ず解決できるようになる。家族や教師がやる気を起こさせるよう導いてあげることが重要になるので、「なぜできない」と責めるのではなく、「何が分からないのか」を子どもと一緒に考えてあげよう。そうして苦手な単元を減らしていけば、やがて苦手な科目も克服でき、「勉強ができるようになりたい」という意欲も戻ってくるだろう。

    5.人といると疲れる
    「そう思う」という回答が全体の12.6%であり、前回調査と比較して大きな違いは見られなかった。
    小中学校別では、中学校に進学すると「そう思う」という回答が小学生と比べて7.9%と大きく上がっていた。これは、中学校に進学すると他小学校から新しい同級生も増え、中学受験をすると同級生の多くが初対面になる。さらに部活では先輩という未知の上下関係が生まれ出し、教師も担任以外に専門教科を担当する多くの教師と関わり合うことになる。このように人間関係の幅が一気に広がるため「人といると疲れる」という回答が増えるのかもしれない。
    男女別に結果をみると、小学生では男子よりも女子の方が「疲れる」と回答したのがやや低かったのに対し、中学生に上がると「疲れる」と回答した女子は男子よりも大きく増えていた。
    小学校と中学校の間に精神的な変化が多く現れる時期ではあるが、この差異は非常に興味深いものである。
    あるアンケート結果では、LINEなどSNS利用率は男子よりも女子の方が多かった。SNSを活用する中で何かしらのトラブルも増えるであろうことから、SNS疲れなどを誘発している可能性がある。


    次回は小中学生の悩みや不安についての調査結果を報告する。