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  • 「高専」という選択肢

    新学年の生活も落ち着き始めるゴールデンウイーク前となり、子どもや保護者の中には進路について本格的に考え出す人も増えているのではないだろうか。子どもの学力に合わせて高校を探す人や、子どものやりたいことに合わせて進路を考える人など、進路の調べ方には個人差があるが、大学進学率が高い現在において、ほとんどの子どもや保護者の中で「高校に入る」という目的を持っている。

    現在では職人も減り、中学を卒業したらすぐに就職という人口は減っている。新卒一括採用の日本の仕組みから、大学までは進学するという考えが増えているのは致し方ないだろう。そんな中で「高専」という選択肢を選んでみるのも一つではないかと思う。

    高専とは、正式には『高等専門学校』と呼ばれる、専門分野に特化した学校のことである。就学年次は普通科の高校と同じ年齢から入学可能であり、入試も学力試験や内申点、そして面接試験と、公立の高校と変わりはないが、専門職を目指す者が通う学校であることから、面接においては将来の就職希望先などが重要となる。また、高専には住所要件というものがあり、学校のある都道府県に住んでいることが受験資格となっている。東京都の「都立産業技術高等専門学校」は特別で、この住所要件が無いことから、神奈川県や千葉県、埼玉県といった首都圏の生徒も受験可能である。また公立の高専に関しては、公立高校との併願受験は可能であるが、高専に合格した場合は公立高校を受験することはできなくなる。

    高専の在学年数は普通科の高校よりも長い5年制(一部学科は5年6か月)をとっている。これは、専門分野に特化した学習を行い、専門職に必要な技能を育成することが目的だからである。高校と短大を合わせた年数を学ぶことになるが、授業時間は高校・短大の授業時間数を上回り、専門科目においては、四年制大学の専門科目履修時間を上回ることもある。

    教育の性質上、産業分野への就職は非常に強い。専門性が高いことに加えて、卒業時の年齢が四年制大学の卒業生より最短で2年若いこともあり、企業から即戦力としての期待感などから、就職率はほぼ100%である。また、就職先についても上場企業の技術関連部署が多いことも特色としてあげられる。

    授業内容については、一般的な高等学校よりも高度であり、一般教養に関しては低学年時に普通科高校と同じようなテキストを使用することはあるものの、専門科目においては大学学部レベルのテキストの使用をするなど、専門科目の育成への注力が分かる。講師については大学の教員や企業の技術者が非常勤講師を務めることもあり、一般の高等学校とは一線を画する高度な授業内容となっている。

    高専には宇宙航空学科や工業科など、学校によって様々な学科があり、その中で在学中に資格取得を行うこともできる。代表的なものとしては電気工事士・電気主任技術者・無線従事者・情報処理技術者・危険物取扱者などが挙げられる。これらは、就職後の仕事に必要であることもあり、多くの学生が取得することになる。

    卒業すると多くの場合は就職の道へと進むが、3年次までに規定の単位数を取得することで高卒相当となる資格を得ることができる。これにより大学を受験することができるため、就職ではなく大学進学も可能となっている。近年では就職要件に大学卒業や大学院修了が必要な企業があることから、そういった企業へ就職志望する者は大学進学するケースが増えているようである。

    先述したが、高専卒業生は一般的な高等学校はおろか、場合によっては4年制の工業系学部卒業者より高い専門性を持ち、なおかつ4年制大学生よりも若く就職できることから、産業界では即戦力として高い注目を集めている。就職先も大企業が多いため、就職に強い学校ともいえる。

    東京都には、八王子にある国立東京工業高等専門学校と、品川区と荒川区にキャンパスを持つ東京都立産業技術高等専門学校、そして町田市にあるサレジオ工業高等専門学校の3校がある。特に産業技術高等専門学校は産業技術大学院大学との連携により、日本で初の高専から大学院までの9年一貫教育を行っており、より専門性を高めたスペシャリスト育成に力を入れている。

    中学卒業後には高等学校への進学が一般的であるが、高等専門学校という選択肢も検討してはいかがだろうか。それぞれの学校では学園祭も行われているので、それぞれ日程を確認して、子どもと訪れてみるのも良いだろう。