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  • 中1ギャップの実態

    数年前から盛んに使われるようになった「中1ギャップ」という言葉について、国立教育政策研究所が、用語の誤った使用に対して警鐘を鳴らしている。

    中1ギャップという言葉は、もともとは小学校6年生から中学校1年生への進学に際し、いじめや不登校の急増など問題行動が増えることに対して利用されてきた。東京都の教育委員会でも、中1ギャップに対して対策を取るべく、小学校・中学校において対策をとっている。中1ギャップの原因としてあげられるものが、授業時間が延びることや部活などが始まることによる生活リズムの違い、先輩後輩など小学校のころと異なる人間関係の違い、定期試験が課されることや高校受験があることによる勉強の取り組み方の違いの3点である。これらの違いから、中学生にあがると急にいじめや不登校などの問題行動が増えるということがかつて言われていた。しかし、国立教育政策研究所は、その問題点が本当に発生しているのかを慎重に調べるべきだと訴えているのである。

    そもそも、いじめが中1で急増するのかという点については、問題行動等調査の結果だけを見ると、中1からいじめ認知件数が増えており、急増しているように見える。しかし、500名以上の児童・生徒を対象とした追跡アンケート調査の結果によると、子どもたちは小学校でいじめを最も感じており、中学生になると徐々に減少傾向に向かうのである。

    不登校に関しても、問題行動等調査の結果では中1で不登校となった生徒の小6時の不登校率は30%ほどとされており、これだけを見れば不登校となった割合が3倍に増えているように見えてしまう。しかし細かに調査を行うと、小学校4年生から6年生の間の段階で、30日以上の欠席経験があることがわかり、実際は激増と呼べる数値では無かったのである。

    これらのように細かな調査を重ねると、中学校に入学してから問題行動が増えるのではなく、実際には小学校のころから問題の予兆が起きていることが分かる。しかし、「中1ギャップ」という便利な言葉に隠れて、小学校時代からの蓄積した問題が無かったことのようになり、中学校からの問題とすり替わってしまいかねず、教育政策研究所はこの点を危惧しているのである。

    保護者も中1ギャップという言葉に惑わされずに、小学校のころから子どもの様子がおかしいと感じた点を引き続き見守り、ケアする必要がある。特に欠席しがちだった子どもは、中学校になったら急に治るといったことは無い。中学に上がれば変わるだろうと思い、家庭教師にケアしてもらっていた部分をやめてしまい、不登校になってしまうという可能性も無くは無いのである。進学で人間性はリセットはされない。信頼できる家庭教師がいるのであれば、継続して進学後もついてもらった方が良いだろう。