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    Rimse 一般財団法人 理数教育研究所において、2017年度の算数・数学の自由研究の募集が始まった。

    2013年度から始まったこのコンクールは、子どもたちが日常の中で感じている疑問を、算数・数学の力で解決・解明することを目的とした自由研究の発表の場となっている。

    小学生・中学生・高校生の部がそれぞれ分かれており、さらに小学生の部は低学年と高学年の部がそれぞれ設けられており、各学年の子どもたちがそれぞれの生活環境の中で感じた不思議を、仮定を立て、数学的な思考を利用して解明し、考察をしたものがレポートとしてまとめられ、優秀な作品には賞が与えられている。

    ホームページ上において過去の受賞作品を見ることができ、「ウナギの蒲焼の秘伝のタレは継ぎ足していく中で、いつ最初のタレの『寿命』を迎えるのか」や「『走れメロス』のメロスは全力で走っていたのか」など、子どもたちが様々な分野に好奇心を持ち、自力で解決しようとする力を持っていることがわかる。

    優秀賞についてはホームページ上に掲載されており、子どもたちがどのような仮説や検証方法を経て結論にたどり着いたのかを見ることができる。

    例えば『走れメロス』を検証した論文では、書物に記されている記述からメロスが走るべき全行程を約39kmと判断し、出発時間やメロスの体調、当日の天気まで推察している。往路と復路において物語の途中に出てくるイベントごとも加味したうえで、メロスが走った平均時速は約3.9km/時であったと計算している。

    この計算結果から、筆者はフルマラソンにおける一般男性の平均時速が9km/時という統計データを用いて、メロスが全編を通して全力で走っていないことだけでなく、往路においては徒歩で移動していたことにまで言及している。これらの点を踏まえて筆者は「走れメロス」から「走れよメロス」への改題も提案しているのである。

    「書物に書かれていることは本当だったのか」という些細な疑問から端を発したこの論文は、文章から状況を調べ推測することや、統計データを用いること、得られたデータを基に算数・数学的な思考を用いて検証するに至っているのである。

    どの論文も実際に生活に役立つとは言い難いかもしれないが、子どもが持つ知的好奇心を刺激することで、数学的な思考がしっかりと育まれる証拠と言えるのではないだろうか。

    もちろん全ての子どもが同じように興味・関心をもって物事を調べるということは難しいだろう。しかし、好きなことを突き詰めることが子ども将来の可能性を広げるのである。

    現在、スポーツ庁が主導して「スポーツ嫌いな中学生を半減させる」という目標を掲げているが、嫌いなものを改善させようとするのではなく、好きなものを伸ばした方が絶対的に良いだろう。

    最低限の学力や体力は必要かもしれないが、10代で活躍したプロスポーツ選手である宮里藍選手や石川遼選手、卓球の張本選手に将棋界で話題の現役中学生である藤井四段など、それぞれが好きなことを突き詰めさせた結果ではないだろうか。

    子どもの好奇心を大切にし、好きなことをのびのびとできる環境を整えてあげることが、子どもの成長にとって重要である。今回紹介した算数・数学の自由研究だけでなく、様々なジャンルにおける自由研究の発表の場がある。子どもの好奇心や好きなことを発表できる場所を調べ、行動させてあげてみてはいかがだろうか。

    夏休みまであと1か月ほどである。博物館や美術館などを訪れて子どもの好奇心を刺激し、夏休みに入ったら自由研究に没頭できるスケジュールを組んでみてはいかがだろうか。

    算数・数学の自由研究について興味があれば、下記にリンクを貼ってあるのでぜひ見てほしい。
    算数・数学の自由研究