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    東京の家庭教師一覧

  • 日本は教育への公的支出が低い

    OECD(経済協力開発機構)加盟国で調査を行っている教育に関する統計から、日本はその他のOECD加盟国よりも教育に対する公的支出が低いことが指摘されている。それにも関わらず、幼児教育に在学している3歳児の人数は他国より多く、さらに高等教育への進学見込み者や学士号の取得が見込まれる人数もOECD平均を上回っている。つまり、日本の教育は公的な支出ではなく、私的な支出により支えられていることが分かる。反対に私的に教育費を支出できない場合は高等学校への進学率ももちろん下がってしまう事を示唆しているのである。

    教員の統計情報をみると、日本における学校教員の法定勤務時間は年間で1,899時間なのに対して、OECD平均では1,618時間程度と、年間で見ると280時間以上も多いのである。さらにクラスに在籍している児童・生徒数も多く、OECD平均は小学校で21人、中学校で24人なのに対し、日本では小学校27人、中学校32人と5名以上も多いのが現状であり、教師が1人で見なければならない子どもの数が多いことが分かる。
    クラス内の子どもの人数が多くなると、一般的に学習以外の「クラス内の秩序を維持するための時間」が増える傾向にあるが、日本では学習以外に費やす時間はOECD平均と同程度である。「クラス内で問題行動を起こす子どもが10%以上いるか」という質問に対しても、「いる」と回答した教員の数はOECD平均を下回っているのである。
    この統計からは、日本の教育水準を保つために、教師がその役割を大きく担っていることを示唆している。他国と比べて受け持つ生徒数が多く、授業以外の勤務時間が多いにもかかわらず、授業時間は減らすことなく問題行動を起こす子どもも平均レベルに保っているのである。それも年間で280時間もの時間を他国より多く勤務時間に費やしているからだろう。
    他国では部活の顧問が無かったり、教員以外の職員が事務作業などを行っていたりするケースが多い。しかし日本では部活は教員が受け持ち、誰でもできる小テストの採点まで担任が行っている。
    教員の多忙化が問題となっているが、他国と比べて教員に対する負荷が多い中で、授業研究に費やす時間を取るのも大変なのである。

    子どもの教育の中で学校教育は非常に大きな影響を与える。教師の授業が面白かったり分かりやすかったりすることで、学習意欲に大きな差異が現れるからだ。それにも関わらず教員を多忙に追い込む現状では、教員が本来費やすべき「教える事を学ぶ時間」がそぎ落とされてしまう。結果として、学校の授業が分からず、家庭教師や塾に頼って学習内容を補完せざるを得ない状況が生まれるのだ。

    日本は家庭の教育投資額がOECDの中でも多い分類に入る。それも、公的資金が教育へと回っていないからではないだろうか。公的資金が教育投資に回らず、教員数も絞られ、教員の多忙化を生む。学校教育だけでは教育内容が足りず、塾や家庭教師に資金を投資せざるを得なくなる。このような状況に陥ってはいないだろうか。東京の一部の自治体では、塾などに対して助成を出すような教育投資を行うところもあるが、まだ一般的ではない。それぞれの子どもに合った学習の形があるが、それをなし得るためにも、公的資金をもっと教育につぎ込むべきである。日本は産油国でもレアメタルの鉱床でもない。それであれば、人材力を上げるしか無いのである。昨今のノーベル賞連続受賞からも日本の教育は価値があることが分かっている。グローバル社会を勝ち抜くためにも、国や自治体は子どもにもっと投資をするべきだろう。