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  • 子どもの科学への学びに関するセミナー開催

    2017年7月1日(土)に文部科学省にて、第19回 OECD/Japanセミナーが開催される。これは、世界的な子どもの学力調査であるPISAの調査結果から、日本の子どもが世界の子どもたちと比較してどういった状況にあるのかを考え、議論するセミナーである。

    特に2015年のPISAにおける注目点が科学的リテラシーであったことから、科学教育・理科教育に焦点を当てた内容となるようだ。

    資源に乏しい日本に限らず、世界的にみても科学的リテラシーは重要である。

    リテラシーとは元々が「読み取る力」であり、多くの技術があふれ、情報化社会となる今日においては、嘘の情報に騙されないために重要な「生きるための力」なのである。

    新しい技術が日々開発されているため、中には疑わしい技術もあるだろう。そういった技術に対する疑問を持つということも重要であり、そのために科学的リテラシーを養うことは必要なのである。

    先日、アメリカ大統領であるトランプ氏は、地球温暖化に対する世界的な取り組みを決めた「パリ協定」からの離脱を表明した。

    トランプ氏の主張としてはアメリカの貿易に関しての不平等が離脱の主な理由のようであるが、この表明の尻馬に乗るようにいくつかのサイトでは、アメリカの離脱によって地球温暖化が世界を巻き込んだ嘘だと説明するものも出てきている。

    どういった理由で地球温暖化が嘘であると主張しているのかは判断しかねるが、どれも「科学的のような記述」や「もっともらしい主張の引用」を重ねているという特徴がある。

    地球温暖化によって極地の氷が溶け、世界的な海面上昇の危惧があるが、地球温暖化否定派の中には極地の氷が溶けても海面上昇は起こらないということを科学的な用語である「アルキメデスの原理」を利用して説明している者もいる。

    アルキメデスの原理とは、水などの流体の中にある物体は、その物体が押しのけている流体の重さと同じ大きさで上向きの浮力を得るという原理である。簡単な例としては、コップいっぱいに水と氷が入っている下記の写真のような状態を思い浮かべてもらいたい。
    アルキメデスの原理画像引用元:花崗岩のつぶやき

    この状態で氷が溶けても、コップのふちからはみ出ている分の水がコップから溢れることは無いのである。

    地球温暖化に否定的な人々はこの原理を基に、北極の氷はもともと海に浮いているため、どれだけ溶けても海水面の上昇は起こらないと主張しているケースがあるのだ。

    確かにその一面だけを切り取ればそういった解釈をしてしまうかもしれない。しかし、難局がグリーンランドなどのように、大陸の上にある氷床が溶けた場合はどうだろうか。こちらは海の上に浮いているわけではないのでアルキメデスの原理は通用しないのである。

    そのほかにも様々な論理を用いて地球温暖化を懐疑的に取り扱っているサイトや書物の中には多くの専門用語などが使われているが、それは一部の論理を否定するだけに留まっていたり、そもそも的を射ていない場合だったりすることがほとんどである。しかし、科学的なリテラシーが低いと、こういった珍説を容易に信じてしまうのである。

    地球温暖化は150以上の国・地域の500人を超える科学者たちの知見を踏まえたうえでの仮説である。まだ致命的な海面上昇や気温の上昇が起きていないため確定はしていないが、致命的な証拠が出てから地球温暖化を信じても遅いのである。

    仮説といったが、ほぼ間違いの無い仮説である。

    誤った考えに引きずられないためにも「科学的リテラシー」はとても重要なスキルである。

    こういた科学的リテラシーについての世界的な考え方や日本の特徴などの話し合いを聞ける機会はそうそう無い。興味のある方は下記から申し込みもできるため、ぜひ確認してもらいたい。

    第19回OECD/Japanセミナー
    「PISA2015から見えるこれからの学び-科学的リテラシーと主体的・対話的で深い学び」