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  • 聖徳太子や元寇といった表記継続へ

    文部科学省が新しい学習指導要領で改訂しようとしていた聖徳太子や元寇といった表記の変更について、元に戻す方向で検討を進めていることが分かった。

    新指導要領は2020年度に小学校で、2021年度に中学校で導入されるものである。新指導要領の社会科の中で、歴史上の人物やできごとの名称を改訂しようとする動きがあった。義務教育の中で全ての人が学んできた「聖徳太子」や「元寇」、「鎖国」といった名称の見直しを行うべきだという議論がなされたのである。

    聖徳太子の表記については、本名である厩戸王(うまやどのおう)を採用しようとしているのである。このことについては厩戸王が正式名称であり、聖徳太子は没後100年ほど後世の書物の中で紹介された俗称のようなものであるということで正式名称を覚えさせたいという考えを持っているようである。鎌倉時代後期に現在のモンゴルが日本に襲来した「元寇」については「モンゴルの襲来」とし、「鎖国」は「江戸幕府の対外政策」と表記するよう勧めていたようである。

    こういった表記変更に対しては、基本的には問題は無いはずである。正式名称に直すのはどこかのタイミングで行われてしかるべきだと考える。聖徳太子という言葉が既に一般的ではあるが、正式名称での記載がどこかのタイミングで行われるべきである。元寇に関しては言葉の簡易化として捉えるのであれば分かりやすい表記にするのは良いと思われる。しかし、個人的にはそこまで簡易化する必要なないと考える。鎖国については外国との交易を絶っているイメージがあるが、実際にはオランダなど長崎の出島を通して貿易を行っており、完全に国を閉ざしていたわけではない。そういった言葉のイメージが実際との矛盾を感じさせる要因となっているのであれば是正されてしかるべきだろう。

    こういった歴史的な人物や出来事に関する表記変更が議論されていたが、多くの批判的な意見もあり見直された。特に聖徳太子については、小学校では聖徳太子という表記を主にし、中学校では厩戸王という表記を主にしようとしていたようであり、小中学校で表記を異なることによる混乱を招きかねない。さらに、厩戸王という表記も聖徳太子という名称と共に古代からの書物に記載が無く、どちらが正式名称であるのか議論が続いているようなのである。また、慣れ親しんだものを覆えされたり、異なるイメージを植え付けられることによる歴史改ざんの意図を感じてしまったりするのか、言葉を変えることそのものに対する抵抗も多いようである。

    歴史を学ぶことは日本人としての意識を醸成するという側面も持っている。そのため、容易に名称などの変更は難しいと思うが、子どもが疑問に思ったり、気になると思ったりしたときには丁寧に対応してあげると良いだろう。家庭教師が歴史に長じていたり日本史を専攻している学生講師だったりする場合には、学校で習うこと以外に雑学として、今までの見解とは異なる内容を話すことがあるかもしれない。また、学校の先生の中にも学習指導要領にはまだ載っていない内容を雑学の範疇で伝える先生もいるだろう。特に東京では頻繁に講習会なども行われているため、歴史学に注力している先生はついつい話が出てくることもあるだろう。

    保護者が今まで習い、親しんだものとは異なる歴史的見解が学校の教師や家庭教師から出てきても、すぐに否定してはいけない。連綿と続く歴史研究の中で、新しい知見が出てくるものなのである。10年ほど前までは「1192つくろう鎌倉幕府」と覚えていたものも、今では「1185つくろう鎌倉幕府」と年表も変化をしている。極端な見解や歴史の曲解でもない限りは、新しい名称や見識は認められることが、保護者にとっても重要である。自分が習ったことが正しいという意識を持っていると、子どもは何が正しいのか分からず混乱してしまう。もちろん過剰に最先端の研究を話し出す家庭教師などがいたら諫めなければならないので、定期的に子どもから話を聞くと良いだろう。