一億総活躍社会とは、少子高齢化に対して真正面から挑み、少子高齢化の流れに歯止めをかけ、一人ひとりが活躍できる「一億総活躍」の社会を作り上げていく決意から作られたスローガンである。
12月18日、政府は臨時閣議の中で文科省に対して878億円の補正予算が決定され、一億総活躍社会関連に479億円を充てる予定である。
一億総活躍関連の中身は「不登校児童生徒への支援モデル事業」「中学校夜間学級の設置促進事業」「地域未来塾にかかる学習支援を促進するためのICT機器などの整備」「所得連動返還型奨学金制度導入に向けたシステム整備等」「学校設備の耐震化や老朽化対策」等があたる。
各々の予算の内訳をみてみよう。
・不登校児童生徒への支援モデル事業
6億円の予算をみており、フリースクールに通っている子供に対して支援金を支払う。
小1プロブレムや中1ギャップなどにより不登校となるケースが近年増えている。
不登校の児童生徒の受け皿となるフリースクールに通っている子どもたちに対して、
博物館などの課外活動の費用に充てることが目的とされている。
小・中学生がいる世帯で、「要保護世帯」に近い貧困状態と判断された世帯が対象となる。
課外活動の充実によってフリースクールに通っている子どもも小中学校に通学している子どもたちと同様に様々な経験を積むことが期待できる。
さらに、不登校の子どもたちが学校とは別の施設へ通学し学習の援助を受け学校へ復帰することを目的とする適応指導教室の設置推進も盛り込んでいる。より一層の不登校の子どもへの支援や対策が期待される。
・中学校夜間学級の設置促進事業
2000万円の予算をみており、昼間だけでなく夜間学級を進めていく方針だ。
義務教育を終了していない人々への修学機会確保の場である中学校夜間学級について、教育実践の高度化を促すと共に未設置道県における設置促進と修学支援策の充実を図る。
・地域未来塾にかかる学習支援を促進するためのICT機器などの整備
ICT化を実現するため4億円の予算で、タブレット端末や無線LANの環境を中高約100校に整備する。
経済的な理由などにより、家庭での学習が困難であったり学力に課題があったりする中学生等への学習支援を実施すると共に、
新たにICTの活用等による高校生への支援を行う。
・所得連動返還型奨学金制度導入に向けたシステム整備等
平成29年7月に本格始動するマイナンバー・ネットワークと修学支援金事務を連動させた効率的な修学支援金事務システムの整備費として26億円を投じる。
・学校設備の耐震化や老朽化対策等の推進
1981年以前に建築された校舎は震度6以上の地震で倒壊の恐れがあると指摘されている。
2011年の東日本大震災以降、多くの公立学校の耐震化工事がなされたが、今後の発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震に備えるべく443億円を投じる事によって耐震性や老朽化対策を行う。