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  • 小中学生の意識調査 第七回 ~自分の価値観1~

    内閣府が子どもの育成支援の充実のために、平成26年に小中学生を対象とした意識調査を行っている。今回は子どもたちが自分自身に持っている「価値観」に関する調査結果を紹介する。

    今回のアンケートでは様々な価値観を挙げ、その価値観に対して「そう思う」か「そう思わないか」といった回答を求めている。

    1. 人の役に立つ人間になりたい
    今回の調査では、「そう思う」という回答が全体の97.5%となり、前回よりも5.4%上昇した。
    男女別の回答結果には大きな差異は認められなかった。しかしながら小中学校別では、女子には大きな差異は無かったものの、男子中学生は男子小学生と比較して、「どちらかというとそう思う」という回答を除いた「そう思う」という回答は減少傾向にあった。
    反抗期の男子に特有の反発心なのか、もしくは役に立つことばかりではなく、それ以外のことに興味を持ち、「人の役には立たないがやりたいこと」があるのかもしれない。将来やりたいことなど具体的な内容についてもアンケートを取ると面白い結果になるかもしれない。

    2. 勇気のある人間になりたい
    今回の調査では「そう思う」という回答が全体の97.5%となり、前回よりも6.2%上昇した。
    小中学生別・男女別の回答に大きな差異は認められなかった
    ただ、男子中学生は小学生と比較して、「どちらかというとそう思う」という回答を除いた「そう思う」という回答は減少傾向にあった。
    上記の「人の役に立つ人間になりたい」という回答と同じような回答パターンとなっており、男子中学生特有の「ちょっとした反抗心」が生まれているのかもしれない。

    3. 人は信用できないと思う
    今回の調査では「そう思う」という回答が全体の18.8%となり、前回よりも3.8%減少した。
    小中学生別の回答結果では、小学生よりも中学生の方が「そう思う」という回答が増えていた。また、男女別にみてみると男子よりも女子の方が「そう思う」と回答している割合が高かった。これは小学生の時点ですでに女子の方が高く興味深い回答結果であった。
    遙か昔から「女」は言葉による意思の疎通ができない「赤ん坊」を「察する」ことにより育ててきたため、男よりも言葉以外から受け取る情報量が多いと言われている。この能力から女は男の浮気を見抜きやすいとも言われているが、そういった力があるから、今回のようなアンケート結果に表れているのであれば非常に興味深い。

    4. 自分の気持ちに正直に生きている
    今回の調査では「そう思う」という回答が全体の87.0%となり、前回よりも12.5%も上昇していた。
    小中学生別でみると、中学生になると「そう思う」という回答が減少傾向にあった。学校面で定期テストによる学習評価や部活など、小学校の頃よりも自分の自由になる時間が減り、先輩後輩という小学校の頃にはあまり配慮の必要が無かった人間関係も生まれるため、なかなか自分の気持ちに正直に行動することが難しくなるのかもしれない。
    男女別にみると、女子の方が「そう思わない」という回答が多くなっていた。女子は男子よりも集団で行動しやすい傾向にある。現在「同調圧力」が問題となっているケースがある。たとえばグループ内で持ち物を統一したり、LINEで深夜までトークを半ば強要したりするケースが散見されている。こういった同調圧力を感じている女子は男子よりも多いのかもしれない。
    同調圧力に対してグループ内で改善することは難しく、外部からの介入が功を奏する場合がある。例えばLINEの深夜までのトークについては、「グループのみんながやるから自分もやらなければいけない」と考えてしまう。しかし自治体や学校、家族が「21時以降はLINE禁止」というような独自ルールを設けることで周囲に対して「言い訳」がたち、同調圧から免れるケースがある。
    子どもがどこか抑圧されていると感じるようであれば相談に乗り、家族ルールを作ることで子どもの役に立つ「言い訳」を作ってあげると良いかもしれない。

    5. 自分が満足していれば人がなんと言おうと気にならない
    今回の調査では「そう思う」という回答が全体の36.8%となり、前回よりも5.4%上昇した。このアンケートでは「どちらかというとそう思わない」という回答を除いた「そう思わない」という回答が25.9%と前回から5.5%減少しており、自分の満足度を優先する傾向に移っている可能性を示唆している。
    小中学生別の回答では小学生の方が「そう思う」という回答が高い傾向にあった。これも「自分の気持ちに正直に生きている」という回答に対する考えと通じている可能性がある。男女別でみると、女子の方が「そう思う」という回答が多かった。やはりこれも先述の内容と同様に、周囲へ気を配る必要が多い女子特有の回答なのかもしれない。

    子どもの価値観に関するアンケートについては、引き続き次回も紹介する。
    次回のアンケートに関しては将来に対する意識や学業に関するアンケートとなっており、こちらも興味深い内容となっている。