内閣府が子どもの育成支援の充実のために、平成26年に小中学生を対象とした意識調査を行っている。今回は子どもたちの進学進路に関する調査結果を紹介する
小中学生に、「将来どの学校まで行きたいか」というアンケートをとったところ、「中学校まで」と回答したのは0.4%であり、「高校まで」という回答は19.1%であった。前回アンケートを行った平成18年から「中学まで」という回答は0.9%、「高校まで」という回答は5.1%それぞれ減少していた。
「大学まで」という回答は前回49.0%だったのが57.6%と8.6%も上昇していた。
「専門学校・各種学校まで」や「短大まで」といった回答も共に減少傾向にあり、子どもたちの中では大学までは進学したいという考えが広がっているようである。
小泉政権時の規制緩和により70校も大学の数が急増しており、少子化の影響もあって大学全入時代と呼ばれて久しくなっており、大学が特別なものから一般的なものになっていることが大学志向の強まりを促していることが考えられる。
小中学生別の回答を見ると、小学生の中には進学するのを「中学生まで」という回答が散見されるが、中学生ではぼぼ0となっている。中学生の回答では小学生と比べて「高校まで」や「専門学校・各種学校まで」という回答も減少傾向にあり、代わりに「大学まで」という回答が10%以上も増加している。
中学生へ進学することで将来のビジョンがより近いものになり、自分の進学に対する考え方が変化するため、回答に変化が見られるようになっている可能性がある。
男女別の回答では、男子よりも女子の方が「高校まで」という回答は低い傾向にあった。代わりに「専門学校・各種学校まで」という回答は男子と比べて約2倍多い。反対に「大学まで」という回答は女子よりも男子の方がやや高いという結果であった。
女子で進学進路について「専門学校・各種学校まで」という回答が多かった結果については、専門学校は職業に特化しているものが多いため、将来の職業を意識した進学進路の決定をしているのかもしれない。
もちろん大学でも医学部や教育学部など将来の職業に関わりの深い技能を習得できる学部はあるが、将来の技能とは関係なく学部を選ぶ学生は多い。
あるアンケート結果では、将来の進学先を決定する最も大きな要因は「まわりがそうするから」であったというデータが出ている。
明確なイメージが無く進学先を決定している子どもは意外と多い。
それ自体がダメというわけではないが、自分が何をしたいのかを家族や友人たちとしっかり話し合い、明確な進路を見いだせると、より良い進学進路決定につながる。
一度、家族で進学先より先の就職先について考える時間を持ってみてはいかがだろうか。