神戸市の「市教育大綱」において資質の低い教員は職種の転換や免職の検討を行うことを明記した。
教員の授業の進め方や子どもへの対応に不満の声が多くみられ、教員の資質向上が課題であるとしていることから今回の決定に踏み切ったと考えられる。運用方法や資質の査定基準などは今後研究を進め、早ければ来年度からの導入としている。
久本神戸市長は記者会見において、精神面で問題を抱える教員が退職に追い込まれる現状を指摘しつつ、「事務仕事や政策立案に向いているかもしれない。能力は多様だ」と述べ、教員としての資質が低いと査定された人材にも活躍の場がある可能性を示している。
市教育大綱には教員の育成や多忙化対策など課題解決への取り組みが盛り込まれており、小中学校の学力を全国トップクラスにするという教育目標達成に向けて神戸市の取り組みがスタートする。
久本神戸市長は「テストの点数だけを追い求めるべきでないという批判は分かるが、学力向上に及び腰になると、何もしないことに繋がる」と自身の意欲について説明し、「教育の面からも神戸を選ばれる街にしたい」と、教育への力の入れようを示した。
今回の市教育大綱については、2015年4月に施行された改正地方教育行政法において各自治体の首長独自に教育大綱を定めることとなったことから制定されたものである。今後も神戸市のように独自の政策を盛り込んだ教育大綱が出てくることが予想され、教育方面へ波紋を広げそうだ。