徐々に気温が上がり、これから夏を迎えると家庭教師や塾では夏期講習が始まり、多くの受験生や保護者の方々も「受験」というものに実感を持ち出す時期となってきた。これからTVでも夏期講習や受験への追い込みといった内容がどんどん出てくるだろう。夏休み直後には3者面談で具体的な進学先名も決める必要が出てくる場面も増える。これからの時期、もちろん学力向上のための勉強は重要である。しかし、面接を含む試験がある受験生にはさらに今から取り組むべきことがある。それは体型管理である。
現在、公立・私立を問わず多くの学校で面接試験が採用されている。入試で最も重視されるのは学力であるため、何よりも勉学に勤しむことが重要である。しかしながら、面接で合否の最終決定を下されることもある。受験情報サイトの中には基本が学力重視であり、よほどの問題が無い限りは合否に影響を与えないかのような表現をしているところもあるようだが、実際は合否に影響を与えうるのである。でなければ面接をする意味が無い。
面接ではまず志望動機を聞かれる。この質問では受験生自身が受ける学校の中身をどれだけ事前に調べ、理解しているかを見られる。緊張して声が上ずったり、震えたり、考える時間が出てしまったりしても全く問題は無い。それよりも、しっかりと丁寧に志望動機を述べることが重要である。志望動機以外の質疑応答は学校によって聞かれる内容がまちまちなので一概には言えないが、自己PRを求める学校が多くある。これは過去の実績や自分の長所・短所を理解している生徒の方が学校側としては魅力的であり、合格ボーダーライン上に複数の生徒がいた場合に選別の基準とすることができることから聞くケースがある。もちろん調査票を見れば大まかな人物像を掴むことはできる。しかしながら、生徒自身の生の声から聞き取ることで調査票の信ぴょう性が高まるのである。
これらの質問以外に全ての学校で見られるのが、受験生の立ち居振る舞いと体型である。面接は練習すればするほど慣れ、うまくなっていく。自信を持って臨めば、話を多少盛っていても信じられやすくなる効果がある。しかし、立ち居振る舞いと体型は日々の積み重ねがダイレクトに反映されるので意識の高い学校ではよく見られることとなる。
面接では自身の長所を話したり、学校生活について聞かれたりすることがある。その中で「私は几帳面です」という話をしたとする。その面接を終えて席を立った時に椅子がズレた状態で退室したら、面接官たちはどう思うだろうか。
また、「私は自己管理をしっかりとしています」と話した生徒が非常に太っていた場合、面接官たちはその話を信じるだろうか。
上記の例はほんの一例だが、これらのような生徒の挙動や言動、そして見た目を加味して生徒の選別が行われるケースもあるのだ。学力がダントツで他に比肩することが無い生徒ならそういった点を注視されることは無いが、倍率が高い学校では生徒の学力が拮抗している場合がほとんどである。学力試験では当落線上の生徒が多くいるため、過去の実績や面接試験で生徒を選抜することになるはずである。そこで調査票だけを選択基準にすることはありえず、面接の中で生徒の本当の人間性を確かめているのだ。現在、ほとんどの中学・高校では面接練習を必ずと言っていいほど教えている。その中で学校側は受け答えの内容まで指示することもある。そうやって学校側に作られた回答では無く、普段の生徒を知るために面接官は受験生をしっかりと観察するのである。その中で、ごまかしがききにくい、立ち居振る舞いと体型を見られるのは必然と言える。
学力は日々積み重ねて受験まで高めていくが、体型も同じである。たった一ヶ月で偏差値を50から60に上げることは難しいのと同じように、一か月で身長165cmの90kgから70kgまで落とすことは難しいだろう。それゆえに、日々の行動や食事、運動といった体型管理に結びつく行動が重要となってくるのだ。
とある会社の社長は、太った体型の担当者とは取引を行わないそうだ。話を聞くと「自己管理ができていない人間が仕事の管理ができると思えない」とのことだった。同じような考えを持つ人は他にもいるようであり、今から体型管理を教えるのも将来に向けて重要であるだろう。
高校生は自己管理だが、中学生は親管理と言われることがある。成長期真っ只中ということもあり、保護者が提供する食事によるカロリーや栄養バランスの管理が重要な時期なので、子どもに節制を促すだけではなく、保護者と二人三脚で進めて行かなければならない。この夏は親子で体型管理を進めてはいかがだろうか。