家庭教師の効果を最大限に引き出そうと考えた時に大事なのは、保護者と家庭教師の線引きを明確にすることです。時に役割が重なることはあっても良いのですが、基本的なポジションは変えないことが大切です。
保護者や家庭教師のポジションとは、「子どものサポーター」です。その中で、メンタル面のサポートは保護者、学習面のサポートは家庭教師というように、役割を分担・確立させましょう。
保護者の役割
東京の受験事情としては、近年私立校が人気を集めています。早ければ幼稚園・小学校受験からと、教育熱心な保護者も増えているようです。またそれに伴い、受験対策にと家庭教師を利用するケースも多くなっています。
以前に比べて費用面でのハードルが低くなったことも背景としてあるでしょう。ただその一方、家庭教師の効果を活かしきれずに途中で辞めてしまう家庭も少なくありません。
当然、中には家庭教師の力量不足だったり子どもとの相性が合わなかったりという原因もあるでしょう。しかし保護者としても一度きちんと考えておくべきなのが、保護者の役割と家庭教師の役割についてです。
学習面のサポートについては家庭教師というプロに任せて、保護者は子どもの精神面のサポートに徹する方がうまくいくケースが多いのです。
家庭教師の役割
家庭教師の主な役割は学習のサポートです。子どもの勉強に関しては、基本的に家庭教師任せにしましょう。その家庭教師が子どもの先生として適しているかどうか、保護者が見極めるのは重要ですが、一歩離れたところでチェックするのがベターです。
また、何か気になる点があれば家庭教師や派遣会社へ申し出るようにしましょう。子どもに対して家庭教師の不満を口にしたり、必要以上に子どもの学習状況に口出ししたりするのはNGです。家庭教師に対する子どもの信頼感が薄れてしまっては元も子もありません。
また、家庭教師からも保護者からも勉強に関して何かと言われたのでは子どものモチベーションも低下してしまいます。保護者として大切なのは、子どもの不安定な気持ちを受け止めてあげることです。家庭教師ではなく親だからできることだと自覚して、その役割に徹しましょう。
「主役は子ども」だということ
保護者の役割、家庭教師の役割と述べてきましたが、双方ともに忘れてはいけないのが、あくまで「主役は子ども」だという点です。特に受験を目的として家庭教師を利用している場合には要注意です。その軸がぶれてしまっては、子ども自身のやる気がそがれてしまいますし、思うような結果に結びつくのが難しくなるでしょう。
まず受験をするのも志望校を決めるのも、子どもに意思決定の権利があることを忘れてはいけません。小学生が中学受験を自ら志すとなると、ごく一部の子どもに限られてしまうかと思いますが、「受験したいな」「この学校いいな」と思わせるような工夫は、保護者がしてあげることは可能でしょう。
勉強の進め方についても、家庭教師が方針を決めるのは構いませんが、その中で子どもの自主性を導きだすことが大切です。例えば学習計画を考える際に決定権を与えるなどして、子どもの意志を組み込むこともよいでしょう。
まとめ
東京には有名校が点在しており、早くから受験を志す家庭も多くなっています。その分、非常にたくさんの家庭教師会社があります。保護者としてはその中からよりよい先生をという気持ちがありますので、つい勉強の事に関しても口出ししてしまいがちだと思います。
しかし、勉強についてはプロの教師に任せてしまった方が結果的にうまくいく事が往々にしてあります。またこれは家庭教師の立場でも配慮すべき事ですが、受験の主役はあくまでも子どもだということを忘れないようにしましょう。