• 基礎知識

    東京の家庭教師一覧

  • 睡眠負債を解消し適切な教育環境を整えよう

    先日、ユーキャンの新語流行語大賞が発表された。「インスタ映え」や「ユーチューバー」といった話題になった言葉や、「忖度」や「Jアラート」、「フェイクニュース」、「ポスト真実」というような時事問題にも出てくる可能性のある言葉がノミネートされている。

    その中に「睡眠負債」という言葉が出てきている。

    「睡眠負債」とは、日々の睡眠不足が借金のように徐々に積算され、負債として蓄積され心身に害悪を及ぼすものであり、子どもの学習への悪影響も懸念されている。

    通常の睡眠不足では睡眠時間が4時間など自他ともに睡眠時間が不足していることを自覚できるが、睡眠負債は、毎日の小さな睡眠不足が積み重なるため、集中力の低下などが睡眠不足によるものであることを自覚できないことが大きな特徴である。

    実際にペンシルベニア大学が実施した実験では、2週間のあいだ6時間睡眠を続けたグループと2晩徹夜したグループは、それぞれ脳の働きが同程度であったという結果が出ている。

    睡眠時間の量は個人によって異なるが、6時間睡眠の2週間継続で2晩の徹夜と同じレベルまで落ち込むという驚きの結果は子どもの学習に関心のある保護者からすると、無視できない問題だろう。そしてこれが無自覚に起きているため、学習の進捗が芳しくない場合、この睡眠負債が原因となっていることが分かりにくいのである。

    睡眠負債の解消方法として最もやってはいけないことは「寝だめ」である。

    寝だめは蓄積した睡眠負債をある一過的に解消する可能性はあるかもしれないが、それにより生活リズムが崩れ、また週明けから睡眠不足の蓄積が発生してしまう可能性がある。

    効果的な解消方法としては、単純に睡眠時間を増やすことが挙げられる。それ以外に、日中に15分ほど仮眠をとること。生活リズムを適切に保つために、朝起きたら日光を浴びること。そして睡眠前にスマホなどブルーライトを照射する機器の操作をしないことが挙げられる。

    睡眠負債は勉強や部活などで多忙化している子どもたちに広まっており、脳機能の低下にともなう集中力の減少などによる学習への悪影響が示唆されている。

    生活習慣の改善を行わなければならず、家庭での指導が最重要となる。しかし、共働き家庭では子どもの日中の生活など話を聞いてあげる時間が限られているかもしれない。

    家庭教師は私的な相談もしやすいので共働き家庭など子どもとじっくり話す機会が少ない家庭に向いている。

    個人で営んでいる家庭教師など本部が小さい場合、運営を家庭教師本人が行っており学習以外の家庭環境などに気を使う余裕が無いケースもある。

    家庭教師本部は大きい方が子どもと向き合う余裕ができやすいのでお勧めである。

    子どもの学習進捗が芳しくない場合、睡眠負債が原因となっている可能性があるため、その解消が最重要課題である。

    家族が子どもの生活習慣を見守るだけでなく、家庭教師の力も借りて、最適な学習環境を整えてあげよう。